作業服といえば、「さまざまな現場で働く人だけが着用するもの」というイメージが大勢を占めていました。オシャレからは縁遠いというのが一般的な人の見方かもしれません。しかしながら、時代の流れとともに、作業服を取り巻く環境も大きく変化を見せることに。
ファッションアイテムとして着用したいという人も増えている現状について見てみましょう。
作業服への関心度合いが増しているのは、それだけ多くの人が興味を抱いていることを物語っているのではないでしょうか。今となっては、作業服へのイメージについても、従前とは全くといっていいほどに異なっている現状があります。
「ファッション性やデザイン性は後回し」というのが、以前の作業服へのイメージであったことは間違いないかもしれません。そんなこともあり、どちらかといえば、「格好悪い」や「親父臭い」などという見方をする人も多かったのも現実といえるでしょう。
時代の進化とともに、作業服に求めれられる要素が変化を見せていることも事実です。もはや、ファッション性やデザイン性を重要視するような雰囲気が漂っていることも現実といえます。渋谷や新宿、池袋などの若者たちが大勢集まるエリアでも作業服を着て遊びに繰り出してくるという人もいるほどです。
作業服のイメージが変化を見せていることの要因として挙げられるのが、作業服の色合い自体にも複数の種類のものが登場している点です。以前のようにグレー系などのとにかく地味なイメージのものばかりではなく、さまざまな色を組み合わせた作業服が徐々に増えていることも最近の作業服です。
鳶職や大工、整備士などの職業でなくても、思わず欲しくなるような作業服が続々と登場しています。
作業服にファッション性やデザイン性が求められるようになったことが、作業服のあり方に劇的な変化をもたらすようになったことは事実です。作業服のデザインを考える人にとっても「売れる作業服」を作り上げることが求められるようになったのです。
そんな流れもあり、デザインのヒントを求めて、デザイナーやファッションリーダーと呼ばれるような人の元にアイデアのヒントをもらいに行くなどという動きも見られるようになりました。このような流れについては、明らかに新たな動きといえるのではないでしょうか。
ファッション性やデザイン性が作業服を作る上で必要になったことから、多くの新ブランドが作業服の製造販売に乗り出すことになりました。作業服のマーケットが賑わいを見せることになったといっても過言ではありません。
インナーとの相性やボタンの形、ポケットの位置などとオシャレな作業服を生み出すための模索が始まったのです。むろん、作業服に最も求められるのは、安全性や動きやすさであることも念頭におかなければなりません。いくらオシャレで人気の作業服であっても、着用している人の安全性に支障をきたすようであれば、失格と言わざるを得ません。
もはや作業服にもカルチャーやトレンドを求める動きが巻き起こっています。単に着ることができればそれで良いという時代は終わりを迎えたともいえます。作業服を着用する年代は多岐に渡ります。若い世代から中高年、シニアなどと年代に関係なく着用されるのも作業服の特徴といえるのではないでしょうか。
最近の人気のある作業服の傾向については、どちらかといえばスタイリッシュなタイプのものとされています。この傾向については、一般的な衣類メーカーやアパレルブランドにおいても同様です。
身体のラインにピッタリとフィットするようなトレンドが定着していることを指し示しているといえるのかもしれません。「売れる作業服を世に送り出したい」という思いを持つ作業服メーカーやデザイナーにとっては、ネット上の口コミや評判、SNSなどの情報も重要といえるでしょう。
現にファッション界やアパレル界でもネットを使っての販売戦略網を構築することにしのぎを削っている状況が見られます。
過去の成功例や固定概念にとらわれることなく、最新のカルチャーやトレンドを取り入れることが成功のカギを握ることになります。
建設会社や鳶職、整備士など毎日着用するユニホームとして作業服を従業員に支給しているケースも少なくありません。連帯感を高めるためや見た目を良くするために作業服を統一するというのです。「作業服が格好いいから」などという理由でその会社を選択するという若者がいるというのも事実。
そういう意味では、従業員の確保のためにも作業服が一役買っているといっても言い過ぎではないでしょう。現に作業服を使う会社の中には、従業員の申し出により作業服を変更するなどということも散見されます。憧れの作業服を着用したいからという理由で自らの職業を選択するということ自体には、賛否両論があることも否めません。
むろん、仕事の適正がなければ本末転倒と言わざるを得ないことも現実といえます。とはいえ、その仕事に就きたいというきっかけになるというのが人手が欲しい業界の狙いといえるのではないでしょうか。どちらかといえば、「キツイ」や「キタナイ」などというイメージから敬遠されることが多い現状を変える突破口としての役割を作業服に求めているのかもしれません。
作業服の製造を手掛けるメーカーが目指す究極は、ファッションアイテムとして作業着を着用してもらうことです。渋谷や新宿、池袋などの街中を堂々と闊歩することができるようなオシャレアイテムを目指しているのです。
従前から存在する「いかにも作業服」という作業服が決してなくなったわけではありません。むしろ、そのような作業服の方が好まれるというケースも往々にしてあるものです。例えば、自宅の修理やリフォームなどで訪れる作業員には、オシャレさよりも職人としてのスキルやテクニックが要求されることはいうまでもありません。
そういう意味では、職人としての腕を磨き上げることが何よりも重要といえるでしょう。「会社の顔」ともいわれる作業服については、ファッション性やデザイン性に加えて、見る人を安心させる要素も必要といえるのではないでしょうか。
私服のように街中を歩くファッション性と作業員としての見た目の信頼度を両立させることが求められます。